認知症とお口の健康との深い関わり

 

 

アルツハイマー型認知症の原因は、遺伝子や日常の生活習慣など複数あるとされていますが、これまでにも、アルツハイマー型認知症の患者の脳から歯周病菌が見つかるなど、その関連性が指摘されていました。

 

アルツハイマー型認知症の原因はまだ完全には解明されていませんが、体内で発生する酸化ストレスによって、細胞や組織が悪影響を受けるのではないかと言われています。

歯周病の原因菌によってつくられる「酪酸(らくさん)」という物質が多いと、脳内の各部位で酸化ストレスが上昇し、なかでも記憶をつかさどる「海馬」でのストレスが高くなります。

「酪酸」は歯周病患者の歯周ポケットで通常の10~20倍も見つかっています。

健康であればポケット内にとどまっていても、歯肉の炎症などがあると組織から血管に入り込んで全身をめぐります。

それが長期間続くと脳に悪影響を与えてしまいます。普段の口腔ケアと歯科医院でのメンテナンスで歯周病菌を減らし、認知症のリスクを軽減しましょう。

それに加えて、しっかり「よく噛む」ことも大切です。

噛むことで脳への刺激や血流の増加により、認知症の進行を遅らせる効果も期待できます。

手や指の細かな動きも脳を活性化させますので、自分で箸やスプーンを使って食事をし、食後歯磨きをするということで、できるだけ長く、普段の生活を維持することが可能です。

奥歯がない場合でも、適合している義歯を付けることでしっかり噛めるようになります。