「脳卒中」も歯周病がきっかけ

~要介護にならないために~

 

脳卒中は、脳の血管が詰まったり切れたりすることです。

日本歯科大学付属病院の報告によると、「脳卒中で入院した患者」「それ以外の入院患者」「健康な人」の3グループで歯周病検査を行ったところ、脳卒中で入院した患者の歯周ポケットが他の2グループより深く、歯周病がより重度でした。

なぜ歯周病が脳卒中リスクを高めるのでしょう。

その理由は歯周病菌が出す毒素の影響により私たちの歯肉付近でつくられる炎症物質「サイトカイン」にあります。

この炎症物質が血管に入り込み、血流に乗って全身を巡ると、全身の血管内のあちこちで炎症が起こります。炎症がひどくなると、動脈の内壁が厚く硬くなって、血管が詰まりやすくなったり切れやすくなったりします。

これが「動脈硬化」です。動脈硬化が進行して脳の血管がボロボロになると、脳卒中が起こりやすくなるのです。ちなみに、脳の血管が詰まれば「脳梗塞」、脳の血管が破れて出血すると「脳出血」です。

これらの脳卒中は、日本人の要介護状態を引き起こす原因の第1位となっています。脳血管のトラブルから、顔面や手足の麻痺が引き起こされることもあるからです。

本臨床歯周病学会によると、歯周病の人は、そうでない人と比べて、2.8倍も脳梗塞になりやすいそうです。

歯周病を放置すると、それがきっかけとなって、要介護に陥る可能性があるわけです。口腔ケアで明るく健康で過ごしていただけるよう、今後もサポートさせていただきます。気になる方はいつでもご相談ください。