「誤嚥性肺炎」も口腔内細菌が原因

 

 今や、日本人の死亡原因の第3位となった「肺炎」。

厚労省が行った統計によると、この肺炎による死亡者のうち96.6%が65歳以上の高齢者でした。そして、高齢者が発症する肺炎の約70%以上が「誤嚥性肺炎」であると言われています。

実は歯周病は、誤嚥性肺炎のリスクを高めることもわかっているのです。

 本来は口から食道へ入るべきものが、誤って気管に入ってしまうことを「誤嚥」と言います。

誤嚥により、食べ物や唾液中の口腔内細菌が気管から肺に入った結果、肺が炎症を起こすことがあります。

これが「誤嚥性肺炎」です。

 誤嚥の多くは、飲み込む力の低下によって起こります。

特に高齢者は、睡眠時など、知らないうちに唾液を誤飲していることが多く、その際に歯周病菌などの口腔内細菌が多いと、肺炎を起こしやすくなるのです。

 実際に誤嚥性肺炎を起こした人から歯周病菌が多く見つかっているケースが多いため、今では歯周病菌が誤嚥性肺炎の重大な原因の一つと考えられています。

寝たきりの末に亡くなる方のほとんどはこれが原因と言われています。

 日本老年歯科医学会の研究などから、高齢者に歯のケアを行い、歯周病などの口腔内細菌を減らすことで、誤嚥性肺炎の発症率が下がることが報告されています。

 むせやすい方が口腔ケアをされていないと、食べ物だけでなく、口腔内細菌の多く含まれる唾液を誤飲する恐れがありますので特に注意が必要になります。

 普段のセルフケアに加え、プロによるクリーニングを定期的にされると口腔内細菌をコントロールすることができます。

気になる方はいつでもご相談ください。