「非定型歯痛」とは、つらい痛みが続くにもかかわらずいくら詳しく検査しても見つからない歯の痛みを言います。
歯痛には大きく分けると、むし歯や歯周病が原因の「歯原性歯痛」(歯科はほとんどこれですが)とそれ以外の「非歯原性歯痛」があります。
この「非歯原性歯痛」には咬筋など筋肉の過度の緊張による筋・筋膜性歯痛や、鼻炎や蓄膿症などによる上顎洞性歯痛、耳下腺炎、顎下腺炎などの唾液腺炎による痛み、三叉神経痛や帯状疱疹後神経痛による神経障害性歯痛、片頭痛等による神経血管性歯痛、狭心症などの心臓性歯痛、など他が原因でも歯痛はおこります。
口の中や体を調べても特定できない歯痛の場合は非定型歯痛の可能性が高いと思われます。
炎症や傷が無いのに痛覚をつかさどる脳内の神経ネットワークがストレスによって痛みを感じる通路が変化して起こる変則的な痛みで気のせいではありません。
つまり非定型歯痛はストレスと密接な関係のある心身症の一種ともいわれています。
コロナウィルスの影響により日常の仕事や通学ができなくなっている方がたくさんいます。
そのことによる抱えるストレスが不調の引き金になります。
ストレスによる食いしばりや歯ぎしりをされている方も多いと思います。ストレスによる自律神経の乱れから、唾液の分泌が減り、口の中が乾燥してしまうことにより、歯周病菌やむし歯菌が増殖してしまうことも予測できます。
世の中が落ち着いてきた後、口腔内の状況が変わってしまっている方に私たちができる精一杯のケアが出来るよう努力してまいります。