「むし歯を放置したぐらいで、大きな病気になるわけでも、まさか死ぬなんてことはない…」。ほとんどの方がそう思われているかもしれません。
でも、むし歯の原因になる虫歯菌は、酸によって歯を溶かすだけでなく、下のような恐ろしい病気を引き起こす可能性もあるのです。
実際、むし歯を放置して、18歳の女性が敗血症のために死亡したケースもあります。
★顎骨炎/歯の根っこの先まで進んだむし歯菌は、あごの骨に到達して炎症を引き起こします。歯は直接あごの骨に埋まっているため、歯からの感染が骨に移りやすいのです。
★脳梗塞や心筋梗塞/炎症部からむし歯菌が血管に入り込み、脳や心臓に到達してしまうこともあります。
血栓を作って血液の循環を悪くし、死に至るという最悪のシナリオもありえます。
★副鼻腔炎(蓄膿症)/上顎の奥歯の根っこの先は副鼻腔に近い
ため、根の先まで進行したむし歯菌が副鼻腔に流れ込んで、炎
症を起こしてしまうことがあります。
持病やストレスで免疫力が落ちていると、体内に入ったむし歯菌を抑えることができなくなります。
死に至ることは稀ですが、入院して手術が必要になるケースもあります。
まずは、痛くなる前に歯医者さんでチャックしてもらうことが大切。そうすれば、治療の痛みも治療回数も少なく、歯の寿命も伸びます。「歯医者に行く時間がない」「今は痛みがおさまっているから」とむし歯を甘くみず、定期的に歯医者さんに通いましょう。
ごくごく軽度でない限り、治療なしにむし歯が治ることはありません。